ヒンディースコーピオン

久々にレンタル店に行ったのです。
新作で観たいのは観尽したので、旧作コーナーをぶらついてみると、コレがありました。

地獄曼陀羅 アシュラ [DVD]

地獄曼陀羅 アシュラ [DVD]

あったのはビデオ版なんですがね。
これ観たかったんですが、レンタル無いなあと諦めていたのです。見逃してただけでした。
本作は劇場公開当時、「インド映画ブームに致命傷の1作」とか「インドの女囚さそり」と言われておりました。
サブタイトルは「地獄曼荼羅」。当時のキャッチコピーは「女神発狂」。
こちとらインド映画つうたら「ムトゥ」を思いつく程度でした。そこにコレですよ。期待すんなと言う方が無理。
ただ、配給がアルバトロス(やっぱり)なので、とんでもないハッタリかもしれんという不安もありましたがね。「キャッチャー」で騙された苦い経験あるし。
また時間がね、さすがインド映画でやっぱり3時間
まあ、とにかく鑑賞開始しました。


美人スチュワーデスのシヴァーニは良き夫と可愛い娘に恵まれ幸せな毎日。そこに金持ちのドラ息子(演じるはシャー・ルク・カーン)が現れシヴァーニに一目惚れ。
インド主義にのっとり歌とダンスで気持ちを表します。序盤(1時間)はズーッとこんな感じ。
こんなんで地獄曼荼羅になるのか、また騙されたのか...そう思ってたら、ドラ息子が完全にふられたあたりから雰囲気は一変。
シヴァーニに怒涛の不幸が襲い掛かるのですね。夫は殺されるは、濡れ衣着せられて投獄されるは、娘と姉は殺されるは、しかもそれ全てドラ息子の陰謀だはで地獄の満漢全席。
おまけに投獄された収容所の所長はなぜかイルザ風味。
インド映画ですからね、いわゆる女囚モノみたいな展開にはならない。ならないけどホントはそうしたいってのが痛いほど伝わってくる演出ですよ。
インドでもイルザ主義ってのはあるんだなとちょっと感動してたら、さすがにシヴァーニも限界に達し、復讐を決意します。
ここで憤怒の女神ドゥルガーの賛歌が流れ、気分を盛り上げます。「狂い咲きサンダーロード」のブオォォンと同じですね。
復讐を近い、ドラ息子のもとに行くシヴァーニ。しかし、ドラ息子は変わり果てた姿になっていた。
さすがに後悔したらしく、慙愧の念から廃人になっていたのですね。愕然とするシヴァーニ。
じゃあどうするのか?シヴァーニはドラ息子に献身的な介護を始めるのですね。
ここでもインド主義は現れ、ドラ息子の意識をこっち側に戻すため、ヒラヒラ衣装でフリフリダンスも披露します。
インドでは露骨なラブシーンが禁じられているため、その代わりにダンスで表現している場合があるそうです。
それを思うと、確実かもしれんがストレートすぎる手段ですなあ。
ここまでで、ああ「恩讐の彼方に」な展開に落ち着くのかと思いました。まあ、よくある展開だなと。
でも、これでイイのか?家族を謀殺したような奴に?という疑問は当然わいてきます。
それに対する答えはNO。全然落ち着いてなかったのであります。
やっぱ「さそり」でした。さそり感性は万国共通。どこの国だって「うらみ節」が鳴り響く状況てのはあるんですね。


いやあ、凄かった。
インドとさそり、この濃密な2つの要素の悪魔合体にグッタリしました。
アルバトロスの解説ではジャンルは「アクション(特殊キャラ系)」。まあ、なかなかまとめ難いよね。
あと、この映画のキーアートがメチャクチャかっこいいので、Tシャツとかねえかなと思ってたらあったよ!
http://www.albatros-film.com/special/goods/
ああ、これ欲しいなあ。ノベルティグッズだからもう無理だけど。