誰も言わないならオレが言ってやる

ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝』を観たんです。
今回の監督は、積極的にキッズ・ムービーを体現するロブ・コーエン先生。
そのせいで怪獣、カンフー、兵隊、飛行機と幼稚なものだけをギュッと詰め込んだ、子供映画になっておりました。
この夏公開されたなかで、本当に子供のために作られた映画って本作ですよ。
崖の上のポニョ』は子供向けのつもりだけど、つもりなだけで機能はしてなかったですからね。
ポケモンがあるじゃん?と言われそうだけど、アレは子供の顔が福沢諭吉にしか見えない大人たちの鉄火場ですよ。
いや、ポケモン観てないんですけが、この前親戚の子供の相手をした時に分かりましたよ。
子供がギラティナのデッカイ玩具とオレの顔を交互に見つめるんですよ。パパは買ってくれないからアンタ頼むと。
その時、あれは姿こそ怪獣だが、本当は帝国金融の桑田だと確信しましたね。


で、その子供映画である『ハムナプトラ3』ですけど、子供映画ゆえに欠けたものがあると痛感しました。
世間を見渡すと、その欠けたものとはレイチェル・ワイズであるという声が多いじゃないですか。
たしかにレイチェル・ワイズが不参加との報を聞いたときは、オレもガッカリしましたよ。
でもそれは致命的なものではないですよ。そこがポイントだという奴は大嘘つきだ。
本当に致命的だったのは、アナクスナムンの不在に決まってるじゃん!

パトリシア・ヴェラスケス演じるこの人ですよ。
このアナクスナムンがいかに重要だったかは、1作目から2作目にかけての出世ぶりからうかがえます。
1作目では回想シーンにちょっと出るだけで、事実上は背景でしかなかった。
しかし、そのあまりに露骨な存在感から、2作目ではメインキャラに昇格。キャットファイトまで披露ですよ。
まだアナクスナムンの重要性が分からないって人のために全身像をお見せしますよ。

これを出さないなんて。コーエンさんのバカバカバカ。
前作でアナクスナムンは完全に滅んだんだから出せるわけないじゃねえか...そう言いますか。
そんなこと気にするほどのストーリーじゃねえだろう。どうせテキトーな話じゃないの。
万里の長城からハニワ原人がドンジャラホイっていう、バカみたいな話なんだからカッコつけるなよ!
そりゃミシェール・ヨーがいるけどさ、あの人はそういう目線で見る人じゃないじゃん。
あの人はボバ・フェットとかと同じ目線で見るべき人だから、立ち位置が違うんですよ。
この露骨な色気は、子供映画には不向きってことなんだろうってのは分かるけど、残念なものは残念ですよ。
まあ、そんな配慮ではなく、単にコーエン監督がメンズオンリー・リーグの人だからかもしれないけどさ。


そんなワケで大変残念な思いした映画でしたけど、観て損をしたとは思わないです。
だってジェット・リーが出てますからね。
カンフーは控えめだし、扱いは『リーサル・ウェポン4』のホンコン・マハと同じだけど、しびれる場面もあり。
「目覚めよ!」の一声だけで軍団を復活させる場面はカッコよかった。また発声が鋭いんですよ。
あと、3つ首竜が登場するんですが、体型からキングギドラというより『ドラゴンスピリッツ』のフルパワー状態みたいでしたね。