帰ってきたのねウルトラマン

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観たんです。
正直いって関心が無かった映画で、実は『序』も観てないんですが、各地での大絶賛ぶりにエンヤコラと出かけたんですよ。
上映が開始され、製作会社スタジオカラーの名がでると、同時にあの音が鳴るじゃないですか。
エヴァンゲリオンが現代版のウルトラマンであるってのは10年前にも散々言われたことですから、今更驚きゃしないですよ。
監督が『帰ってきたウルトラマン』の大ファンで、その味付けを受けついでるってのも有名な話ですし。
それどころか、これはエンドロールだけど円谷プロダクションの『帰ってきたウルトラマン』なんてのがクレジットされてる始末。
今考えてみれば、オレは前のエヴァの怪獣ものの一種として観てたもんですよ。
好きな場面と言えば新東京を無表情で蹂躙、大破壊をもたらすサキエルの登場場面」だし。今回もそうなのか。
その話のった!オープニングすら始まってない時点で一人盛り上がってましたね。


鑑賞を終えて、いやイロイロ思ったね。まず思ったのが、やっぱ『帰ってきたウルトラマン』だよなってことです。
ドラマパートじゃないですよ。使徒が登場するアクションパートが、ですよ。
今回、4体の使徒(アレがアレのままでアレなら4体じゃないけど)が登場すんですが、うち2体は主体性ってものを感じない、下手すりゃ怪獣というよりも自然現象の一種てな感じであります。
生物というよりも現象、そんな怪獣って実は他より『新マン』で見かけることが多いですよ。
プリズ魔、バリケーン、ビーコン、バキューモンといった連中ですよ。前半の2体を見てこいつら思い出しましたね。
今回ゼルエルが登場するわけですよ。え、もうこいつが出るのって驚いたね。
で、このゼルエル、最初はミイラパッケージみたいな姿で現れるんですが、シュシュシュと変形すんですよ。
その姿ってのが、どうみても宇宙大怪獣ベムスターなんだよ。歩行姿勢ではなく、飛行姿勢の方ですがね。
でもって、やってることもかなりベムスター。終盤の展開だから言わないけど、もうベムスター
考えてみりゃATフィールドってのもキングザウルス三世のバリヤーみたいなもんだしねえ。新マンづくし。
もっともゼルエルの最後の姿はサイコジェニー風で、ダイナミックプロの味わいだけど。


ドラマパートはね、正直どうでもよかったんですよ。
今回、キャラが大人になり前向きになったと言うんですが、ようは当たり障りのない描写ってだけのことですよ。
「ビックリするほどゴクゴク飲める」とかうたってる野菜ジュースみたいなもんでさ。
新キャラもフーンですんじゃうような奴だし。
それにいかにも日本のアニメでございって感じの日常描写、あれがつらくて。
あの間、時計見ては「え、まだ5分しかたってないの?早く使徒出ろよ、コノヤロウ!」と思ったもんですよ。
だからこれはストーリーや人物描写を見る映画じゃなくって、カッコ良くてエゲツない戦闘描写を、PVを見るように楽しむ作品なんですね。
だから何度も観たくなるって声が多数なんでしょね。今後はどうなるかわからんけど。


楽しかった。どれくらい楽しかったかというと、もう続編は別に見なくてもいいやと思うくらい。
上映が終わって「ご視聴ありがとうございました。エヴァンゲリオンは今回で終わりです。明日からは『じゃりん子チエ』の再放送を...」ってテロップが流れもオレは問題ない。