ボタンの魔女はアシュラマン

コララインとボタンの魔女』を観たんです。
監督は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の人!可愛いキャラ!それをデザインしたのは日本人!
これだけキャッチーな要素があるにもかかわらず、劇場公開の話をまるで聞かなかった本作。
DVDスルーか?思ってたところに、なんと3Dで公開決定。全国公開でオレの地元(田舎)でも上映するという大逆転。
前評判は最高。程度の差はあっても誰もが褒めてる。予告を見たらホントに面白そう。
加えて監督はあのヘンリー・セリック
オレにとっては『ナイトメアー...』ではなく『モンキーボーン』のセリック監督の新作ですよ。
「こりゃあ女房を質に入れてでも観にいかんと」とフンガフンガしながら劇場に向かいました。


観始めて、まず驚くのは、そのなめらかな動きであります。
冒頭、主人公コララインが家を出てトタタタと走っていく場面があるんですが、ここ流れるような動作なんですよ。
おまけにカメラもグインと動き、これをホントにCGではなく人形アニメでやったのか...と絶句しましたわい。
動作だけでなく、人物の表情もクルクルと変化。撮影中に2人ほど過労死しました!と言われてもオレは納得するね。
いやスゴイ。感動した。が、しばらくすると違和感がわいてきた。アレ?期待したものと違うぞ、と。


この映画が描くものはなにかつうと、キレイで、可愛いらしくて、同時に不気味な異世界ですわな。悪夢の世界ですよ。
たしかにそういったものは描かれているんですが、なんか地味なんですよ。
オレが期待していたもの、『ナイトメアー...』や『モンキーボーン』から予測していたものってのはジオラマでした。
大量のモデルが並べてあり、ギミックも仕込んであって光ったり動いたりもする。
具体的に言えば、昔のガンプラのCMで「ジオン脅威のメカニズム」ってのあったじゃないですか。アレですよ。
それに対し本作から得られるはボトルシップの味わいなんですよ。
大変手が込んでいて驚かされるし、よく見りゃ色々なパーツがあって彩りも多彩。でも小さい。広がりはない。
ボトルシップか...とチト落胆しとったんですが、その後気付きました。それでイイ、つうかそういう映画じゃん!
この映画はボトルシップ的な世界を描いてるんですよね。
これはオレの言葉で言えばそうなるだけで、実際には作中にも登場するスノードームのような世界と言うべきですが。
そうかそうか。てことは、これ原因がハッキリ分かってる『デモンズ95』とも言えるわな。
落胆なんてとんでもない。これでイイ。派手にしちゃおかしいよな!構造に気付いてからはひたすら楽しい。
あとタイトルにもなっているボタンの魔女、こいつがある意味アシュラマンなんでさらに楽しい。
ビジュアル面だけでなく、その行動も含めてアシュラマンですよ。


久々にグッズが欲しくなる映画でした。
探してみると、あるにはあるが、オレが欲しいのはボタン目の両親なのに、商品になってないのね。
ワイビーがつけてるマスクも欲しい。溶接用の保護面にスコープ・ドックみたいな3眼レンズついたアレ。
どっかで出さないかなあ。