パイプレンチを使う男は信用できる

アイアンマン2』をちょっと前に観たんです。
巷では「詰め込み過ぎで話がおかしくなっている」と言われてますね。
これは同感で、新要素を色々と付け足したせいで、多くのものが中途半端になっている。
ウィプラッシュについて更に描写を重ねるべき、というか本当なら新キャラは彼一人でいくぐらいでなきゃおかしいし、ブッラクウィドウなんて、いなくても話が成立するような扱いでしたぜ。
また、アイアンマン最大の特徴である「どこの誰かを、誰もが皆知っている」ということについて、ヒジョーに適当な描写しかしてないのよ。
前作のラストで大見得きったんだから、そこは生かしてもらわんと。ここはブーブー言わしてもらいますぜ。


巷の評判には続きがあって「でも及第点はクリア。そして社長のチャームは今回も健在!」てな感じじゃないですか。
これについても全くの同感。不満もあるが、でも楽しかった。おかえりなさい社長!
今回最も良かった場面は社長がパイプレンチを使うってところですよ。

一念発起した社長が独力で開発室を作る場面ですよ。床をはつってケーブルやダクトを放り込んで、そこいらのパイプやらで新型リアクターの実験・開発装置を作るじゃないですか。
リアクター起動時に光線の向き変えようとして、方向切替装置を水道管のバルブで代用してるもんだから上手くいかないって場面ですよ。
バルブのハンドルが固くて動かない。これだから古いバルブはイヤだ!
よし、じゃあパイプレンチを引っ掛けてウィルキーの代わり!グイっと回してしっかり回転。切替ヨシ!の指差し呼称!


ウィルキー。現場での必須工具。

これは現場を知ってる人ならではの行動ですよ。だからオレは社長を「しゃちょう」ではなく「シャチョー!」と読み、頭に「ヨッ!」の一声をつけるんですよ。ブレイドの叔父貴がああなって以来、アメコミヒーローは卒業かなと思ってたオレを引き止めた社長。信じていて良かった。


あとスカーレット・ヨハンソンの扱いには絶句しましたね。あまりにモロで。
この人に何やらせんだろと思ったら社長秘書ですよ。秘書課のエースでタイトなスーツ着せんの。
ここで言う秘書ってのは、現実の秘書にはまるで関係ない、明らかにエロ物件としての秘書じゃないですか。
「女教師」とか「義母」とかの言葉を、フランス書院的な目線で見たのと同じものですよ。
そこに加えて「実はスパイ。コーネームはクロゴケグモ」。
グラビアでもヤンマガとかヤンジャンには絶対に載らない。週刊現代とかアサヒ芸能に載る。そんなセンス。
そう考えると、ますますあの扱いは惜しかったなあ。