アンジーイヤーは地獄耳

『ソルト』を観たんですよ。
本作のキャッチコピーである「彼女は、何者なのか?」を初めて見た時、オレの頭をよぎったのは「あれはデビル、デビルマーン、デビルマ〜ン」。アニメ版『デビルマン』のOP曲の一節であります。

デビルアローもデビルイヤーももデビルビームも、アンジェリーナ・ジョリーならイケそうじゃないですか。デビルウイングなんて余裕ですよ。
これ内容をまったく知らない状態での印象で、この時点では「でもホントにそうだってことはねえだろう」と思っておりました。しかし、観おわってみりゃ、なんとそのまま。ホントにアニメ版『デビルマン』。この名を出すのは露骨すぎないかと、チトためらうくらいに『デビルマン』。オレは『デビルマン』はアニメ版を絶対に無視してはイカンと考える人間なので、これは棚からぼた餅でしたね。


この映画、久々に観たスター映画でもありました。
宣伝では貴方は騙されるとかなんとか言ってますが、話自体は他愛のないもので、ホンッとに騙される人ってのは少ないはず。個々の場面もスゴイとは思うし楽しくはあるけど、でも驚くようなものは出てこない。このクラスのアメリカ映画なら、わりと当たり前のレベル。本作特有のものとえ言えば「アンジェリーナ・ジョリーが出てる!」。主演女優の貫禄で成立させてんですね。


ここで思うのは、看板役者でアクション映画を成立させる場合、かってそれを担っていたのって男性スターだったよなあってことです。トム・クルーズとかキアヌ・リーブスとか。今では信じられないけどニコラス・ケイジもその一員だった。
いや、アクション映画への女性進出ってのは今に始まったことじゃないです。シガニー・ウィーバーリプリーがいたし、10年前には『チャーリーズ・エンジェル』という巨大なマイルストーンがあった。香港には多くの女武打星がいて、日本にも志穂美悦子がいて水野美紀がいて、と事欠かなかったです。そういう流れはあったけど、それでもメインは男だったわけですよ。女性アクションは特別なことでした。でも今は女優主演のアクションに、もう特別な感慨はないじゃないですか。かってのオルタナティブはスタンダードの1つになったワケですよ。
そして、それに比例して男性スターのアクションで、直球のものは減ってきましたね。アメコミヒーローとかの、なんらか条件付けがされることが多くなりました。
これは良いとか悪いとかの話じゃないです。オレはどっちも好きですよ。性別に関係なく、誰もがブン殴ってブっ放してガンガン燃やして目にモノ見せてやるベキと思っております。


『ソルト』上映前、流れた予告は『バイオハザード4/アフターライフ』。同じく女優が主演のアクションもの。やはり流れはコッチよのうと思う。でも、その後に流れたのは『特攻野朗Aチーム』。ロビーには『エクスペンダブルズ』のポスターがあった。かっては当たり前に思ってた男臭く、かつ能天気な雰囲気が今となっては物凄く新鮮に感じられる。
よし、全部観ようっと。



しかしミラ・ジョヴォヴィッチって見る度に顔が恐くなってますよね。バイオの予告観てたら、彼女が荒ワシ師団長に見えてきたよ。