だ〜れが殺したクックロビン

先月から「パタリロ!」をチビチビと読みなおしております。12巻から20巻まで読みました。
なんで1巻からじゃねえのかとか言われそうですが、こっちにも事情ってモンがあるんですよ。
なにもかも正攻法でいけると思わないで!思い通りにいかないのが人生よ!毎日、吹雪吹雪、氷の世界!


で、本題ですが、このころは長編や連作が多いですね。後にもアスタロト公爵絡みの話とかあるんで、特別なことじゃないのかも知れないが。
謎の敵(組織?)ピョートル大帝の出現から始まる「かわいそうなプララ」シリーズと、バンコランとその叔父キーンが対決する「キーンVSバンコラン」が目玉かな。


このうちチョット驚いたのがプララのシリーズなんですよ。
知らない人のために言っておくと、プララは少女型ロボットです。両親と兄もロボット。イロイロ揉めたりはするけど、「結束は固い」と言われる仲の良い家族であります。
このシリーズ、一言で言っちゃうと「薄幸の美少女」モノのパロディです。これでもかとばかりにベタな不幸がプララに襲い掛かるのですね。
母親と死に別れ、継母(これもロボット)のいじめにあい、居場所を失ったプララは家を飛び出すが、外の世界でも不幸は続く。そんな中、兄への許されぬ思い*1を抱いてしまう...泥沼に電車道ですよ。
実はこのミザリー猛爆撃、仕組まれたものなんですね。ピョートル大帝の撹乱工作の一環だったんです。そこに偶然や誤解が重なり悲惨な状況に陥ってしまった。
ならば陰謀が暴かれ、誤解が解け、和解で話は終わる。そう思うじゃないですか。
しかし、事態は丸く収まるものの、そのためにとられた手段は記憶の消去なんですな。
プララ達はロボットですから、電子頭脳から不幸の原因となるデータを消してしまえるのですね。
これしか手段がないという描写はあるし、素直に受け入れたわけでなく、一悶着あった上での記憶消去です。
パタリロ!」は厳しかったり、皮肉な終わり方をする話も少なくない。しかし、やっぱ読者としては若干のしこりが残る終わり方ですわ。否定はしないが、驚いた。アリャ、こうなるんかと。
まあ、劇中に作者*2が登場し、「チョット強引だったかな...」とつぶやくというフォローらしきものもあるんですがね。


しかし、ことの発端となったピョートル大帝、これっきり触れられなくなったような。
それどころか、プララとその家族、プラズマ(父)、ランダム(兄)、マンドラ(継母)も一切出なくなったような。
まあ、続き読めばわかることッスね。

*1:頼むから妹萌えとか言わんでくれ

*2:しょっちゅう登場し、レギュラーキャラになっている。愛称はミーちゃん。