ダイナマイトどんどん

ナポレオン・ダイナマイト」を観たのです。
ここで邦題の「バス男」を使わんのは、それ以前に「ナポレオン・ダイナマイト」として有名だったこともあるんですが、「電車男」と同系列というのは無理があるからですよ。
だって、主人公のナポレオンってオタクじゃないですからね。


何かに没頭するあまり人付き合いが下手になったわけでもないし、人付き合いが下手だから趣味に入れ込んでるわけでもない。
オタクという確立された(させられた)スタイルに乗っかってないので分類ができない。
だから、徒党を組めないんですね。仲間はできますけど、2人だし。
周囲から浮いてるのだけど、それは単に変人だから。変人ゆえに注目されるほどの派手さもない半端なタイプ。
やっぱ「ボンクラ」が一番が表すのにいい言葉か。でもチョット違うような。
背中に背骨の代わりにウインナーが入ってるような。そんな感じを表す言葉が思いつかない。
あとオタクものに必ずある、コンプレックスの描写はかなり薄いですね。あるんだけどグチュグチュはしてない。
当然ルサンチマンもない。だから絵空事と言えば、これ以上ない絵空事ですね。
じゃなきゃヒットはせんよな。そういうものを求めるようなモンじゃないですし。
似てる部分はたしかにあるけど、これを「電車男」と同じ棚に入れるのは、タコとイカを同じモノというようなモンですよ。


映画自体は「まあまあ」でしたね。笑える部分も多いけど、タルい部分も多かった。
面白くなったのは「ペドロ立候補」のあたりからか。
「タイムマシーン」とラストのダンスの場面が良かったですね。