幼心の筋肉

nikuzombie2006-01-06

ロード・オブ・ウォー」が面白そうです。
http://www.lord-of-war.jp/index2.html
しかしゴツイ題名だ。「戦争王」ですよ。マノウォーの新作かと思いました。
マノウォーと言えば、KILLとかBLOODとか物騒な言葉があるものの、ドラゴンだのオーディンだのが出るファンタジーの世界です。
と言っても、日本におけるオタク文化の一環としてのファンタジーとはやや違うものです。
マノウォーのそれは、筋肉とフンドシ(以下キンドシ)に覆われた極太マッチョですからね。


現在の日本では、キンドシは異端でしょう。
ドラクエが大ヒット以降、オタク界が積極的にアレンジしたものが現在の主流です。
もう一つの、いや世間的にはこれぞ主流のハリー・ポッターがありますが、これこそキンドシとは程遠い世界です。
でも、ある時期まではファンタジーと言えばキンドシだったのです。
自分が小学校低学年のころは、フラゼッタの絵や「コナン・ザ・グレート」、あと日本ではヒットしなかった「ヒーマン」とかしかなかったから。*1
あ、「銀河伝説クルール」とかもあったか。
そんな状態だったので、その後の「ファンタジー」にえらく戸惑ったもんです。
別にキンドシに愛着があったってワケじゃないのです。
けど、今までマサ斉藤だと思ってたものが、いつの間にか世間では斉藤由貴ということになっていたのです。
急にそんなこと言われても困る。
関連する話で「エルフ」もそうでしたね。
世間でエルフと言うと、「ロード・オブ・ザ・リング」に出てくるMr.スポックみたいな連中なんでしょうな。
でも、こちとらそれより先に「水木しげるの妖怪入門 世界篇」で知ってましたからね。
そこでのエルフとは、チューバッカとジャミラを足して圧縮したような、ズバリ妖怪でした。
おかげで今でも違和感ありますよ。自分にとってはトールキンより妖怪大翁の方が重要だし。
こういった感情は、すでに今の「ファンタジー」が確立してから知った人には理解してもらえんでしょうな。


日本ではキンドシは消えました。でも海外ではどうか?
漫画なんかじゃ今でもあるんだろうし、ファンもいるんでしょう。
でも、普通に日本人の目に付くほどの勢いは、もう無いですね。
精々、「スコーピオン・キング」があるって程度か。これだって「ザ・ロックの映画」だし。日本じゃコケたし。
でも今思えば、これは20年前に予兆はありました。
キンドシもの代表格であるコナン・シリーズの2度目の映画「ザ・キング・オブ・デストロイヤー」にそれは現れています。
キンドシの核はゲップが出るほどのマッチョイズムです。
この映画に出演したグレース・ジョーンズは、女でありながら主演のシュワルツェネッガー以上にマッチョイズムを体現し、完全にシュワを喰ってましたから。
核たるものを、そうでないはずの女優に奪われるようでは、ジャンルとして成立しませんわな。


ま、リング上ってワケでもないのに素っ裸で戦いに行くなんてあり得ん、シャツくらい着るだろ!と皆が気付いただけかもしれないけどさー。

*1:ダーククリスタル」とかの例外はあったけど、やはり例外でしかなかった。