エリックのイイ顔

またもや変な時間にヒマだ。そうだ「ミュンヘン」の感想書こう!いい時間潰しになる!
と思ったけど「「仁義なき戦い」みたいだ」以上のことがでてこない。
ま、いいや。気取ったことなぞ言うまい。いや気取ったことないか。


この映画の感想をザッと見てみると、モサドチームのキャラが立ってないという意見がありました。
なるほど、各分野のスペシャリストと謳っているワリに、そこいら辺の描写が少ない。
そういうので具体的な描写があったのは爆弾担当のロバートくらいか。
でも、ロバート以外の面子だってキャラは立ってると思うのです。それぞれポイントはある。
アヴナーは主役である以外に、彼には料理があるじゃない。それも家庭的な料理主体のクッキングパパ
カールは普通に目立ってますね。雰囲気たっぷり。ふちの太いおじいちゃんメガネが渋いね。
ティーブは「殺っちまえよ!」てな感じで言うことは派手なのに、行動は一番地味というお笑いキャラ。最後の最後まで地味なのよね。
で、オレ一押しなのがハンス。そもそも文書偽造という地味な役割に加え、見た目も普通のオッサン。
でもこの地味なオッサン、いざとなると大噴火。
なにしろ作戦が上手くいかないと見るや、「のけ。ワシに貸しちょみい」とばかりに爆弾を握り締めてスタスタと敵アジトに入り込む。
でもって周りが「ええ?ええー?!」となってるのを尻目に敵にゼロ距離攻撃!
寡黙なオヤジがいざって時にみせる土性骨。ハートを狙撃されましたね。
次、ル・グループの御二人。
まずルイ。酷薄そうな爬虫類顔がサイコー。高級スーツに高級車で決め、とにかくスマートかつエレガント。
そんなんが犬を散歩させながらススっと寄ってきて「奴はここにいる」。
さらに食事の席で大仰な言葉で毒づき、雰囲気を台無しにしてみたり。
カァー!決めすぎ。なんつうか、「有閑倶楽部」に出てきそうな人でした。

有閑倶楽部 1 (りぼんマスコットコミックス)

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で、そのルイの親父にしてル・グープの親玉である「パパ」。
アヴナーを呼びつけておいて、仕事の話なんて下品なことはしないで、いきなり「キミは料理をやるのかね?」ときた。
その後も庭の木を愛でながら語りだしたりと、ゴッドファーザーぶりを披露。
あまりに分かりやすい大物感にグッときましたね。
キャラは立っているというより、「事実を元にして」と言ってるくせに「そんな奴はおらん!」と言いたくなるキャラばかりだと思うのです。


あとね、スピ映画と来れば皆が期待する残酷ギャグ
そういう目で見ると、全ての殺戮シーンがギャグに見えてしまうのですが、ここは確実にギャグだろってのがドラッグクイーン@モサド
それとドガーン!!ときて、「ゴメン、火薬多かった?」ですますシーン。
この2つは確実にギャグだと思う。笑うに笑えぬタイプだけど。
それと、ここは微妙なところですが、ラストのアヴナーがンン〜!フハッ!フヌウ!って頑張ってるところと、黒9月の皆さんがドッカンバリバリブキュブキュズガーン!!が交互に写る場面。
シリアスな場面だとは思います。黒9月パートの緊迫感はスゴイです。
この2つを並べて苦悩や逃避を描いているのであろうことは分かります。手法としては珍しいものではないし。
でもね、でもね、なーんかここギャグとして撮っているのではないか?という気がするんですよ。
真面目に演出してる一方で、少しだけ「プッ」と笑ってる気がするんですよ。
いや、そんなことは...と思いつつも、スピならやりかねんと思ってしまうのです。
こんなことは本人にしか分からんことですが、もしギャグならば、凶悪極まりないです。
いやギャグだ。そうに違いない。それだけではないだろうけど、やっぱそうだと思っておこう。


スピは最近「世のため人のため」な状態だそうで。それはいい。是非やって下さい。
でもそれと平行して極悪ギャグをかましスピルバーグ最凶伝説の維持にも努めていただきたいのです。