忍法
http://tbs954.cocolog-nifty.com/954/files/st20060324.mp3
こちらの水道橋博士のハゲ話を聞いて思ったのです。
10年近く前の話ですが、会社の先輩にハゲオヤジがいたのです。
サイドには毛が残ってるけど、上のほうはゴビ砂漠でして毛なんざ一本だってない。
要はお茶の水博士みたいな頭です。顔立ちは大山倍達なんですがね。
その先輩、普段はハゲなんですが、飲みに行く時はカツラを装着するんですね。
ホント「被ってる!」って感じで、ムッシュかまやつ以上に露骨なヅラード・アーマーぶり。
初めて見た時はショックでしたよ。ゴビ砂漠がいきなりの再生ですから。
でもまあ、オネーチャンのいる店に行く時はオシャレしたいんだろう、60近くなっても男は男か...そう納得したのです。
で、飲み屋に到着。しばらく談笑してると、先輩がいきなりヅラ装着解除!バサっとハゲ露出!
事前に知っているオレだって仰天ですよ。何故今に?何故ここで!?
知ってるオレですらそうなんです。店には他の客だっているワケで、その人達の驚きは計り知れない。
もう店内の時間が停止しましたね。「ザ・ワールド!時よ止まれ!」
停止した時間の中、先輩はヅラをいじりながら「やっぱ地肌だと空気がウマイわ」と攻めの一手。
一方的な攻撃に防御姿勢すらとれない。もう虐殺でしたね。
時間にして1分程度でしたが、大戦果をあげた先輩は再びヅラ装着。「そして時は動き出す」!
屍累々の店内をよそに焼酎をあおる先輩には、たしかに王者の風格がありましたね。
でも、ヅラ攻撃に平気な人もいる。先輩と付き合いが長い人は笑ってるけど死んではいない。
その人が言うんですよ。「この人いたずら好きでねえ。コレを時々やるの」と。
つまり、これは先輩の得意とする必殺技だったのです。
ハゲってのは、通常避けたいこと。脱毛を望んでやまない人はあまりいない。それをカツラで隠すとなると、なんとなく後ろめたさを感じる。
そんな通常マイナスとされる要素をフルに利用したこの技は、「攻めの消力(シャオリー)」ですよ。
この後「ムジナ」を読み、有名な「跳頭の術」*1を知った時、オレは大いに納得したのです。
たしかに「跳頭の術」は有効だ。刹那の時を争う忍者ならば尚更だ。だって実例を目にしてるし、と。
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そういうものに触れることができたオレは幸運な人間ですね。
*1:この術の正体は「ムジナ」序盤のキモなので、内容を想像できるようなこと言っちゃダメだろ!と言われるでしょうし、そりゃご尤もですが、「ムジナ」はそれ抜きでも傑作ですから大丈夫のハズです。