ポリエステル 柔道部の実態

学生の時に柔道をやっていたって話をしていたら、「柔道部は汗臭い〜」てなこと言われたのです。
確かにそうです。
汗をかくのは運動部全てに共通することなれど、柔道着は汗を吸いまくるくせに分厚く洗いにくい。
そのせいか、ついほったらかして異常な臭気を放つ場合もあります。
そういう状態を、当時「魔闘気をまとっている」と呼んでましたね。
なので、「臭い」という印象を持つ人間がいるのは仕方ないことでしょう。だって魔闘気ですからのう。


だからと言って柔道部員がそういう状況に対し無頓着だというのは誤解であります。
むしろ敏感。「臭う」という状況を可能な限り避けます。そうかあ?と思う人は考えて欲しいのです。
臭い道着があって、それに最も近い距離、最も長い時間接するのは他ならぬ柔道部員であるということを。
自分の臭いは気にならないのでは?ウガーな体育会系だろ?そうおっしゃるか。
自分の臭いは気が付かないってのは一般的にもあること。が、他人の臭いには敏感には誰だって敏感でしょ。
柔道って、練習でも相手が至近距離にいるのです。
ただでさえ寝技、密着、先輩後輩、男同士というマニアックな状況なんです。その上臭いなんて冗談じゃないのです。
ですから、オレのいた部では道着を部室に置いて帰るのは禁止でした。
一度使った道着は必ず持って帰り洗濯することがなのです。
では掟を破るとどうなるか?
例えば寝技の練習をしていて、濃密な魔闘気を放つスメルボーイを相手にするハメになる。
どんなに臭くても密着です。真面目にやらんと顧問にどやされますからね。逃げられない。
逃れることのできぬ臭気、つまりストレスは人を苛立たせます。
そしてその苛立ちは全てスメルボーイに叩きつけられることになるのです。
もう脳内BGMはスレイヤーの「レイン・イン・ブラッド」であります。

レイン・イン・ブラッド

レイン・イン・ブラッド

まあ、制裁ですね。
しかし、これは臭う側が弱い場合です。たまに「臭さ」と「強さ」併せ持つ地獄の使者みたいな奴もいるのです。
それに当たった場合はもう諦めるしかない。この時間が一刻も早く過ぎることを願うのみです。


かって車田正美がコメントで「男の臭いとは、石鹸の香りだ!だって汗臭いのイヤでしょ」と言ったことがあります。
その時、オレ達は「異議なし!」を連呼したのです。
汗かいたらシャワーくらい浴びろ!1回着たら洗濯しろ!部室は常にフローラルな空間であるべし!
これが柔道部の実態です。エチケットなんて不確かなものではない。臭いと困るのは我々なのです。
「臭いのはイヤ!」とは、柔道部員が自らを守るために作った掟なのです。無頓着なんてあり得んです。