白いボールになあってえ〜

コートでは♪誰も一人一人きり♪私の愛も〜私の苦しみも〜誰も分かってく〜れ〜な〜い♪


コートに一人だと大変ですよね。今日、オレもそれがよく分かりましたね。
このコートってのはテニスコートではなく法廷なんですけどね。
オレは被告じゃないですよ!傍聴人ですってば。
先週友人から「この間の件、来週裁判あんだけどお前も来ない?」と電話があったんですね。
この裁判のもとになる事件のことは知ってました。
関わってる人間が全員同窓生、それも面識がある人間でしたから。
でも事件には、オレは無関係です。そんなんが行ってもいいのかな?完全に物見有山になるけど?
友人は言いましたね。「良いよ。それにお前こういうの好きだろう?
こりゃマイッタ。お見通しですか。持つべきは嗜好を把握してくれてる友人ですよ。
古くはジョン・ウォーターズ、最近では阿蘇山大噴火の影響で、一度は行ってみたいと思ったんです。
裁判所に行く道のBGMは、ファイトの「ウォー・オブ・ワーズ」とアンスラックスの「アイ・アム・ザ・ロウ」

ウォー・オブ・ワーズ

ウォー・オブ・ワーズ

AMONG THE LIVING

AMONG THE LIVING

もう完全にエンジョイスタイル。欠片ほどの緊迫感も無かったね。
裁判所に到着し、友人と合流した時点もまだエンジョイスタイル。まだ大丈夫だった。
しかし傍聴人席に入ると雰囲気は一変し、オレはこの場に来たのを後悔したのです。
まずオレ以外の傍聴人はみなマジ。まあ、事件の被害者ばっかでしたから当然か。
最大の問題は、関わっている人間が同窓生ということ。つまり皆オレを知っているんですよ。
当然、オレが関係者じゃないことも。
「ああnikuzombieか。久ぶりだな...で、なんでお前がココにいるの?
口にこそ出ないけど、皆がそう思ってるのがビンビン伝わってきましたね。
面白そうだから!やっぱ一度は傍聴したいじゃん!とは言えなかった。
一応友人が「オレが誘ったんだ」とは言ってくれたが、居辛い雰囲気は消えなかったですな。
で、裁判開始。被告人入廷!
被告人は後輩。昔は一緒に飲みに行ったりもしたことがあるんですよ。
そいつが手錠につながれて入ってきた時はチョっとビビりました。
いやあ、被告人席によく知る人間がいるってのはヘヴィーですのう。
傍聴人席はつうと、被告が現れると同時にネットリとした怒りのオーラが漂い、ますます居辛い雰囲気に。
裁判官の質問の時は、事態の確認つうより完全に説教になっており、被告はさらにキツイ状況。
コートでは、誰も一人一人きり〜♪この歌詞がガンガン脳内に流れましたね。
でも、今回は仕方ない。オレも被告には同情できん。こいつがやったことはかなりヒドイから。
旨い話を持ちかけて...ではなく、友人の温情につけこむようなことしましたからね。
状況が深刻になればなるほど、オレは浮いてるのがハッキリしてきますね。
自業自得とはいえ、今日のコートで一人きりなのは、オレもだったってことですよ。


コートでは♪誰も一人一人きり♪私の愛も〜私の苦しみも〜誰も分かってく〜れ〜な〜い♪