悪魔の価格破壊

「ダークサイド・オブ・ロック2」を読みました。

今回もブラックメタルについて書いてあるんですが、いやーブラックメタルの世界って安いよね。
いつ戸梶圭太がネタにしてもおかしくない世界。
いや、ブラックメタルそのものがって話じゃないんです。
オレ自身クレイドル・オブ・フィルスとかディム・ボガーあたりは聴きますし。
それに(チョット違うけど)キング・ダイアモンド好きですけえのう。
それを取り囲むもの、インナー・サークルだのヘルヴェタだとかがトンマということなんです。
結果を見ると死人が出てたりで大変ですが、根底にあるのは日常生活の不満とか虚栄心とかで、それがガキっぽいレベルで噴出したものじゃないですか。
わが国の激安犯罪者とそう変わらんだろ、と思うのです。
だからS.O.D.が「キング・アット・ザ・キング/イーヴル・イズ・イン」で茶化したんでしょう。
金曜の夜はレザーコートで逆十字架!魔王を称えよ!でも日曜は10時に寝る、明日はバイトだし...てな具合に。


本書で紹介されてるゴルゴロスってマヌケですよ。
酔った女を部屋に連れ込んで、いざ鎌倉!と思ったら土壇場で「あたし帰る!」。
で、ブン殴ってレイプしたとかなんとかになるんですが、その後法廷で無罪を主張するんですよ。あれは合意だったって。
悪魔気取る奴が「ボクはやってません」とか言うなよ。やってなくても雌豚の子宮が腐るまでハメてやってぜぇ...くらい言えよ。
もう一つ紹介されてる犯行も、相手の歯を折ったとか血を飲んだとかイロイロあるけど、結局は酔っ払いの喧嘩だし。
そりゃ危険ですよ。こいつらのやることはヒドイです。でも安い。ド田舎の激安ヤンキーだって似たようなことしてるじゃん。
そこに、サタンだのオーディンだのご大層なもの持ち出すんですよ。安さ倍増!価格破壊が音速で進んでますよ。
安いよ安いよ!100g18円!18円でご奉仕!さらに先着50名様に卵1パックをプレゼント!
これ死人が出なかったからマヌケですむのか?いや死人が出てもこいつら自身のマヌケさは消えませんや。


そもそも、悪魔主義って取り扱い注意なものだと思うんです。
一歩間違えると、クールなトリックスターから、陰気なイカレポンチに成り下がる危険な場所なんですよ。
悪魔教会とかは、物凄く難しい綱渡りをしてた人達ですよ。
実際、アントン・ラヴェイも「どいつもこいつも分かっちょらん」とウンザリしてたそうですし。
悪魔主義ってギャグゲリラ精神をなくすと、見るも無残な状態になりますよ。
そうなると、オレみたい奴にすら激安呼ばわりをされるんです。
やっぱギャグを忘れちゃダメだ。
あんたサタニスト?と聞かれて「サタニストなヒマなんてないよ!オレはヴェノミストだ!」と応えたクロノスは大人ですよね。
あとさ、本書でネタにされてる秋葉系メタルとブラックメタルの世界って、違いはあるけど、近い位置にいますわな。
エンペラーとラプソディーの提示する世界って、かなり近い。どれくらいかというと、島根と鳥取くらいに近いです。
そういや、先のゴルゴロスって、バンド名の由来が「指輪物語」だそうですね。
こいつら映画版観てますよ。そんでもって「ラ、ラストのホビット庄の戦いがカットなんて許せねえ!」とか言ってたんですよ。絶対に。