そんなことよりも

現在22:10。世間では「デスノート前編」のTV放映観てる人多いんでしょうね。
オレは原作読んだことないし、漫画も第1回のみ読んだだけの、まあデスヴァージンなんです。
だから観てみようと思ってたんですが、すっかり忘れて、さっきまで野村芳太郎の「八つ墓村」を観ていたんです。
子供の頃観たっきりだったんですが、いやホントに内容忘れてましたね。記憶にないシーンばっかり。
記憶にある数少ないシーンと言えば、やっぱり山崎努の殺戮シーン。これは一般的な感覚でしょう。
このシーンって思ってたよりはるかに短い。都井睦雄状態の場面って全部足しても10分ないくらい。
そんだけ強烈ってことですね。しかしこの時のメイクはやりすぎ。ミスフィッツかと思った。
山崎努以外の人も、たたりモードになると皆メイクが凄くなる。まあ、正しい判断ですがね。
昔、なんかの雑誌の投稿欄で、ヤンキーねえちゃんに「アンタももっと化粧濃くしてカッコよくしなきゃ」って言われた女の子がいたって話があって、それを思い出しました。
山崎努が強烈すぎて、渥美清が出てたことなんて覚えてない...とよく言われるんですが、そりゃそうでしょう。
だって渥美清って金田一耕助役だってのに出番が少ない。完全に解説役で話に絡んでこないんだもん。
原作は未読なんですが、そっちでも金田一の登場場面は少ないそうなんですがね。
原作と言えば、比べると映画版はかなり端折った作りなんだそうで。登場人物も減ってるそうだし。
だからなのか、金田一の事件の解説の場面がスンゴイんですよ。
事件の真相を語る金田一耕助に「で、物的証拠は?」と、もっともな疑問が投げかけられるんですね。
すると金田一先生は答えましたね。
「この事件はねえそんなことよりも...なんていうかな、犯人すら知らない不思議な事実があるんですよ」
「そんなことよりも」って話そらしてる!その後、最後まで金田一先生は証拠のことには触れないのであります。
これって「やはり精神的なものを鍛え、国体を復活させる方が先ですよね」ってことだよナ!
こんなことを、よりにもよって渥美清がやってるんですよ。大爆笑しました。
まあ、それで映画の価値が下がるってことはないんですけどね。
この映画の作りって、ミステリーつうよりホラーだから。因縁渦巻く伝奇ホラーですよ。
ラストのダッシュショーケンダッシュ真由美!の場面なんて、どうみてもそうでしょう。
さすが、難病ものだったはずの「震える舌」をあんな風にした野村芳太郎


観た結果どうかと言えば、満足しました。
ただ、金田一の事件解説の場面以外でも、1箇所笑っちゃったんですよ。それも怖いはずの場面で。
尼子氏の落ち武者がでる場面なんですが、この落ち武者の中に田中邦衛がいるんですよ。
オレは田中邦衛がいる、ただそれだけで愉快な気分になってしまうんです。
だから、恐ろしい場面なのに、どうも邦衛に目がいっちゃって怖くない。「あ、邦衛!」となってしまう。
これは作り手のせいじゃなく、オレの個人的な理由なんでどうしようもないんですがね。