スーパー・ナチュラル・サンガーリズム

トゥモロー・ワールド」を観たんです。
奇をてらったところのない、ベタと言ってイイくらいの話でした。
奇をてらってる部分もあったんですよ。唐突な射殺とかピンポン玉とか。
でもそれは枝葉であって、全体的には「直球」「スッピン」という言葉が浮かぶ映画。
そのため金はたっぷりかけているだろうに、なんか地味な印象がする。
以前、榎本俊二が何の変哲もないのに面白いサスペンス映画に対して「程よいサスペンス」と言ってましたけど、それにならって「程よいディストピア」と言いたくなる作品でした。
ただ、場面をBGMの歌詞で語る場面がいくつかあって、そこがモロな選曲なんです。「クリムゾン・キングの宮殿」とか。
これは飲んでる場面に吉幾三の「酒よ」を流すようなもんで、程よいどころかやりすぎだと思ったけど。
結果どうだったかと言えば、面白かったです。本年度№1とまでは思わないけど、十分楽しみました。


で、この映画の「子供が生まれなくなったことの説明がない」という部分が話題になっとりますね。
普段は見ないヤフーのユーザー・レビュー読んでみましたよ。
たしかに作中の説明はない。でも、オレはそこ全然気にならなかったね。
だってこれは舞台装置みたいなもんで、話の筋には直接関係しないから。
理由は分からんが、とにかくそうなっちゃった世界で、そうなっちゃった後を描くのが眼目ですけえのう。
似たようなものに「北斗の拳」がありますね。「199X年、地球は核の炎に包まれた」って、これ核戦争ですわな。
大事ですよ。だからって「何故核戦争になったのか説明がない」なんて言わないでしょ。
そこはどうでもイイ。問題はハート様とかデビルリバースとか獄長ウイグルだから。それと同じことですよ。
あと、子供がいない世界なんて感情移入できん、日本はともかくアフリカでは人口爆発だ。絵空事にも程があるって意見。
実はこの意見分からんでもない。海外のこと持ち出さなくても、オレは少子化って実感できんから。
いや、新聞・TVで散々言ってるから、頭じゃ分かりますよ。子供減ってるんだなあって。
でも、外に出ればガキは掃いて捨てるほどいるし、今年子供ができたって友人が2人もいるし。
会社の先輩に、もう2人の子供がいる人がいて、その人にもう打ち止めでしょ?って言ったら「オレの精巣を甘くみるなよ」と言われたりもしたし。
だから、子供のいない世界?というのは、出てもおかしくはないと思うんです。
でもこれSFだから。もしもそうなったら?って話だから。現実にあり得るとか、そういう話じゃないから。
「ドリフの大爆笑」の「もしもシリーズ」にそんなことあるわけないって真顔で言ったりしないでしょ。
コントと一緒にすんなって言われるかもしれないけど、コントもSFも根っこの部分じゃ同じですよ。
通常ありえない事態になった時どうなるかってことだから。目標地点が笑いか、別のところかというのが違うだけで。
しかもその違いは不変じゃないし、あやふやなくらい。お笑いSFやSFじたてのお笑いなんてのがあるじゃない。
で、もしもそうなったらと考えたら、これはへこむでしょう。ドン詰まりもいいところ。
若いうちはいいけど、自分がジジイになったらどうなるか。動けなくなって介護が必要な時に、年上しかいない。
まだ動ける年齢でも、怪我で身動きできなくなった。病院に行ってみたら、医者も看護士も、こいつらこそ介護いるだろってジジババだけだったら。
鉄腕アトム」ばりにロボット達が面倒見てくれりゃイイけど、それこそ絵空事だ。この映画じゃそれどころじゃなさそうだし。
まあ、この辺は合う合わないの話であって、否定してるからダメってことじゃないです。不幸な出会いだったってだけで。


あ、まだ言いたいことあるけど、とりあえず時間だ。あとで追加しよう。