オレたちゃ悪魔だ死神だ〜

「デビルズ・リジェクト/マーダー・ライド・ショー2」を観たんです。
この間レコーダー壊れて観れん!と騒いでたけど、あっさり観れました。
ディスクの裏が汚れてて読み込み不良起こし、それが原因でフリーズしただけでした。
オレだってイロイロ試したよ。電源切ってみたり、リセットしたり。そんでも操作不能で、どうしようもなかったんだよ。
それに、汚したのはオレじゃない。前に借りた奴ですよ。借りてきたディスクの裏なんて、イチイチ確認しないよ。
でも、修理に要した時間は5分ちょっと。修理つってもボタンをガチャガチャしたただけ。
こんなことで店員呼びつけちゃったという気まずさは、少しも消えないのであります。ああ、恥ずかしかった。


そんな気分を乗り越え観賞開始。
観る前にイロイロと評判きいて、とにかく凄惨一筋だろうと予想してたんです。
殺人集団であるファイアフライ一家はとにかく残忍。感情移入なんざとうてい無理。
追われる側にまわってもそれは衰えず、ひたすら非道な行いを繰り返す悪魔の権現。
一方、追う側も負けず劣らずで、自らの正義を信じて疑わない狂信者。
こいつらが争ううちに、善悪の区別は無意味なものになる。そして見えてくるものは...
そんな映画だと思ってたんです。
これは、長年の思っていたものが、ついに実現したのでは?そう思ったんですよ。
物語に出てくる外道な連中に感情移入させるには、通常それなりの描写が用意されてますわな。
弱い部分を晒したり、愛嬌あるところ見せたり、非道な行為にいたった理由が明かされたりとか。
ここで思い出すのは「時計じかけのオレンジ」なんですが、あれですら感情移入をサポートする描写ありましたからね。
そういうものは一切なし。でも何故か応援してしまう。
相手は外道だってのに、捻くれ根性ヌキの、例えばブルース・リーに対する思いと同じものを抱いてしまう。
無いものねだりなのは分かってるけど、ついに奇跡が起こったのかもしれない。そう期待してたんです。
しかし、実際に観てみるとチョット違う。
ファイアフライ一家、オーティス、ベイビー、キャプテン・スポールディングの3人はとにかくヒドイ。途中までは
話の真ん中あたりから、この3人に感情移入させる為の描写が、かなり露骨に出てきたんですよ。
他人は殺すが、何だかんだ言っても家族愛。寿命は縮んでもアイスクリームはしかたないとか。
気がついたら好きになっていたではなく、ちゃんとお膳立てしてるのが目に見えるんですよ。
いや、こっちの勝手な思いで、筋違いの物言いってのは分かってますよ。でも、チョット冷めちゃったんですよ。
じゃあ途中から退屈したのかと言えば、そんなことはなく、中盤からはワイデル保安官に感情移入たんです。
こいつはこいつでロクでもないけど、それなりに自制心はある。でも最終的には殺人鬼一家と同じ土俵に立ってしまう。
土俵にたつ理由はハッキリと描写されてるんで、純粋悪ではない。だから最初の期待とは程遠いキャラなんですけどね。
冒頭、いきなり神様持ち出したりでマイナスポイントたっぷりだったし、事前に聞いてた話では好きになれる要素はなかったんです。
まさか、コイツに感情移入するとは、観る前は思いもしなかった。チョット面食らったぐらいですよ。


結果どうだったかと言えば、見ごたえのある映画でした。作り手の気合は伝わってきましたよ。
みーんな髪ボサボサで髭ボーボーでホコリまみれで、そいつらが小汚い場所でと雰囲気はたっぷり。
殺人一家に冷めたといっても、それでもラストはチョット心揺さぶられるものありましたしね。
ニューシネマと言われるラストですが、オレはニューシネマをそんなに観てないので、思い出したのは「ドラゴン怒りの鉄拳」。
映画自体も良かったけど、それ以上に他のいろんな人の感想読みたいなと思う、そんな映画でしたね。