ハヌマーンはまだよ

ラーマーヤナ/蒼の王子」を読んだんです。

蒼の皇子〈上〉―ラーマーヤナ〈1〉 (ラーマーヤナ 1)

蒼の皇子〈上〉―ラーマーヤナ〈1〉 (ラーマーヤナ 1)

蒼の皇子〈下〉―ラーマーヤナ〈2〉 (ラーマーヤナ 2)

蒼の皇子〈下〉―ラーマーヤナ〈2〉 (ラーマーヤナ 2)

インドの有名な叙事詩ラーマーヤナ」を再構築したもので、作者は他にSF、ホラー、ミステリーなんかを書いてるそうで。
叙事詩の「ラーマーヤナ」に関しては「女神転生の元ネタ」「ハヌマーンが出るんだろ」くらいの知識しかない。
なんで原典との比較はできないけど、味わいとしてはファンタジックな戦記ものですね。血生臭い描写もあり。
主人公ラーマと周辺の人々の紹介と、その初陣てのが内容で、いかにも第1話といった感じ。


読み終えて思ったのは、たぶん作者は精神的にはオレと故郷を同じくする人間だということです。
まず各章のタイトルが「月は無慈悲な夜の女王」とか「人間以上」とか、古典SFからとってるんですよ。
次に、冒頭がいきなり大殺戮の場面なんですよ。ブッ壊してブッ殺してマルカジリでホイサッサ。大感謝祭。
この時点で臭うでしょ。SFと殺戮はオタクの大好物じゃないですか。
殺戮に関しては、好物というよりそれがないと始まらないよ!って感じか。あって当たり前。無いと不機嫌。
男はガンガン死んで美女はバンバン脱ぐ!これですよ。だって普段そういうの、特に後者は縁がないし
まあ、この殺戮場面は予知夢だし、美女は脱ぐ場面は無いんですけどね。
怪獣も出るよ。冒頭は怪獣総進撃だし。
でもってラストはスーパーサイヤ人VS巨大全裸女。
もちろん作中ではシリアスな描写がしてあるけど、起こってることは前述の通り。バカみたい?それがイイんじゃない。
この巨大全裸女、100mを超える巨躯で、象の群れを蹴散らしながら現れるんですが、姿はスンゴイ美女。
居合わせた男達は思わず「噫(ああ) ッ!!」となってしまう。
男達が魅了されるのは妖術によってなんですが、でも、ゴジラよりデカイやつにたまらなくなるか。
あんたら「巨大妖怪女」とか好きだろ?「ジャイアント・ウーマン」はどうだい?と馴れ馴れしい態度取りそうです。
あと、この巨大全裸女の攻撃方法は、山の様な巨大ウンコを投げつけてくるというものです。ああ、性のフロンティア!
これだけでも確実というかゲップが出るんですが、トドメは作者あとがきですよ。
作者が尊敬する人物として挙げてるのが、仏陀宮本武蔵
それぞれ1人づつならまだしも、この2人を同時に挙げると物凄くボンクラ臭が漂ってきますね。
この人家には絶対にドラゴン映画のDVDが揃ってるタイプだよ。オレには見えるんですよ。
遊びに行ったら「お前日本人?じゃあスー・シホミ(志穂美悦子)知ってるだろ」って話しかけてきますよ。
でもって、オレ以上に詳しくて「日本人のくせに、この程度のことも知らねえのか?!」って食って掛かっくるんです。
名前以外は知らないけど、そうに決まっている。隠しても無駄。オレには分かるんだよ、なあ朋友。