アッラーの御心

本を選ぶ時ってのは、どんなこと書いてあるのかしらと内容で選びますわな。
でも、内容云々の前に、誰が書いたのかってのが重要なものもある。
その意味で、最近読んだものの中で最強だったのが、ついさっき読み終えたコレ。

悪魔のダンス

悪魔のダンス

著者:サダム・フセイン。このインパクトを超えるのは並大抵のことじゃない。
「1979年イラク大統領に就任。以後、24年に渡り政権を握る」なんてのが著者略歴に書いてあるんです。
表紙の時点で猛爆撃ですよ。オレは防御で精一杯。
肝心の内容はと言うと1500年前のイラクが舞台の小説なんですね。
部族を追われた男が、よその部族を乗っ取ろうと陰謀を図る。族長の妻を誘惑したり、戦争が起こるよう仕向けたり。
男はローマ民族の力を背景に部族を支配。好き放題をするが、支配を覆そうとする人々が現れ...
とまあ、非常にオーソドックスな内容。イスラムの特殊な事情とかは、あまり出てこないので読みやすい。
お話自体はあまり面白くない。とにかくベタだし、話が進んでいくだけで、これだ!って描写がないし。
しかし、これ書いてるのはフセインですからね。
それを踏まえると、このローマ民族ってどう見てもアメリカだよな〜とかイロイロ出てきます。
その辺は訳者の解説にもそう書いてありますしね。なるほどメッセージ小説と言われるワケですよ。
ところでこの本、原題が素晴らしい。その原題とはこれ。
「くたばれ裏切り者」
いやあ、完璧ですね。
最初ににも言ったけど、これを超えるのは難しい。こうなったらカストロにでも書いてもらうしかない。
カストロって野球好きらしいから、野球の話でいこう。
でも「バハナの星」とかでなく、甘酸っぱい、萌えたっぷりのライトノベルでいきたい。
タイトルは「かす☆とろ」なんてどうかなあ。