カルチャーショック

久々にフィリピンパブに行ってきたんです。
オレはフィリピンパブを始めとする、外国人ホステスの店に行く時はチョット構えてしまうんです。
はたして、今からいく店のネーちゃんは、どれだけ日本語を話せるんだろう?と。
10年以上前の話、そういう店が大好きな先輩に連れられて行った時のことです。
その時ついたのは、ハッキリ言って美人だった。暗い店内だからってのもあったかもしれんけど、関係なかった。
二十歳そこそこのヤングnikuzombieは有頂天。心の中で「アタリだ!」と叫んでました。
しかしこの人、日本語がほぼ喋れなかったんですね。
何言っても「ンン?」と聞き返されるし、日本語分からないんだから、当然無口。
いくら美人と言っても、ほぼ意思疎通ができない相手と最低1時間一緒てのは辛い。しかも飲み屋でだし。
これ以来、行くぞと言われた時はチョット考えるようになったんです。考えるだけで、結局はホイホイついて行くんだけど。
それに、その後少しは慣れたってのもあるし、相手がフィリピン人なら通用するスキルも身に着けましたからね。
「超電磁マシーン ボルテスⅤ」のことを話題に出せばなんとかなるとか、オレはフィリピンの悪役俳優に似てるらしいとか。


てなわけで、構えはしたけど、まあなんとかなるだろうと店に向かったんです。
しかし、行った店は看板にフィリピンパブと書いてあるのに、いるのはインドネシアだけだったんですよ。
別に悪いことじゃない。でも困った。
オレ、インドネシアのことなんて全然知らないよ。ここじゃボルテスⅤは通用しない。
しかも、オレの横に座ったのはネーちゃんは日本語はそこそこしか喋れない上、来日してまだ半年くらいだと言う。
ああ、話すことがない!
インドネシアの話題と言っても、知ってるのは「味の素追放」とかデヴィ夫人くらい。飲み屋の話題じゃないよ。
困ったオレは「バロンダンスってあるよね。バリ島のやつ」とカードをきりました。これならOKでしょ。
そしたら「知らない」って言うんだよ!なんで?バリ!観光!つうたらバロンは付き物じゃないのよ。
周りにいた他のインドネシアレディースも全員一致で知らんと言う。
ここでオレも「ああ、こんなもんなのかな」と思ったのです。
観光用になってる宗教儀式なんて、ご当地の人はあんまり関心なくて、観光ガイジンの方が詳しいってのはよくあること。
この時いたのは20そこそこの若い人間ばかり。そういうことはどうでもイイ年代だよなあ。
さらに、バロンダンスってバリ島でだけ有名で、他のジャワだのスマトラだのじゃ知られてないのかも。
こんな理由で、知らんのが当たり前なのかもねえと思い至ったのです。
思い至ったが、困ってることには変わりがない。どうも相手も困ってるみたい。気まずい。最悪だ。
そうなると、当然向こうは「カラオケ。歌ッテ〜」ときますわな。
オレはさらに困った。カラオケやんないからね。歌えるほど知ってる曲ってないし。
仕方なく本をめくってみても知らん曲ばかり。
何故かジューダスプリーストの「ペインキラー」があった。
こんなん歌えないし、そもそもここで「ペインキラー」はないだろう。
仕方なく、オレは比較的なんとかなる「バイキング」「武蔵」「炎」と冠二郎メドレーを歌ったんです。
インドネシアの若い子に囲まれての冠二郎
この時ばかりは、さすがに「どうしてこうなったんだろう...」と思いましたね。