イヤーエイク

クローバーフィールド HAKAISHA」を観たんです。
ドカーン!ズシャー!グオー!ギョエー!オーマイガー!オーマイガー!ランランラン!って映画でした。
素人が撮影した映像が発見された...という体裁のため、スコアの類は無いのにとにかくやかましい。
これはフルボリュームの爆音環境で観るべきものですよ。映画館で観た方がイイってことです。


でっかい音でわあビックリ!ってこと以外にも音はポイントになってるんです。
というのも、例のアレはチラッとしか見えないんですよ。終盤に全体像が現れるけど、それも短時間です。
大災害にヒーコラ言ってる一般市民(ヤンエグだけど)の目線で話が進むから当然なんですけど。
じゃあアレがどうやって存在感示すかと言うと、主に唸り声なんですよ。
ビル破壊とか吹っ飛んでくる残骸ってのは、隕石や大空襲が原因でも状況は同じようなことになるはず。
でもこれは天災や戦争ではなく、何かが暴れまわった結果だ感じられるのは唸り声があるからですよ。
それがあるから、最初のトレーラーが出た頃に、ディザスターものではなくゴジラの新作か?と言われたんですよ。
まあ、「百獣王ゴライオン*1だ!というスンゴイ予測もあったけど。


そう考えると、この映画はCG満載であるにもかかわらず、ものすごく古典的な手法使ってますよね。
むかーしのホラー映画なんて、怪物の姿はできるだけ見せないようにしてたじゃないですか。
その代わりに、唸り声、足音といった、本体ではなく周辺のものを出したり、足あとや被害者の死体とか、結果残るものを見せることで存在感をアピールしてたじゃないですか。
まあ、昔のホラーにも怪物をモロに見せてるもの沢山あるけどね。
でもこの映画、死体はあんまし出なかったよと言われるかもしれないけど、その代わりが破壊された建造物ですよ。
あれは惨殺死体と同じようなもんでしょ。自由の女神の首がボーンと飛んでくる場面はそういうことですよ。
この映画、分類としては怪獣映画だけど、怪獣映画とホラー映画って紙一重の違いしかないですからね。
被害者が10人くらいならホラーだけど、規模がデカくなれば怪獣ですよ。
あと9.11映画ってことでも満場一致するだろうけど、ホラ、9.11ってのはテロ行為じゃないですか。
テロってのは恐怖で黙らせるってのが目的なんだから、一緒のことじゃないの。
怪獣、ホラー、テロと、どの方面から登っても頂上には着きますよってことですね。


鑑賞してみて、結局タイトルの意味は分からないままでした。
制作のJ.J.エイブラムスの事務所がある場所がそういう名前だからという話あるけど、ホントにそんだけか?
オレなり考えてみると、クローバーフィールドってのは、クローバーのある領域とか畑とかそんな意味。
でも劇中クローバーなんて出てこないし、だいいち、あの場にクローバーなんてあっても分からんですよ。
まず畑ってことで考えると、あれは栽培なんだろか。増えてたし。人為的なものだったりしてね。
それじゃウェ...あ、ダグルアトなんたらってそういうこと?日本企業らしいし。
もう1つは、エンドロールに流れる、何かを思い起こさせるけど、微妙に著作権をかわしてるあの曲からの連想。
クローバーじゃなくて、クローバーみたいな感じのもの、3つに分かれてるものがある場所ってことだろか。
それも、あれだけ荒らされた場所でも分かるくらいデッカイものですよ。
それってやっぱ、嵐の晩に大戸島に残されたアレを意識してるってことか?


いやあ、面白い映画でした。やっぱ怪獣が大破壊をする映画ってのはイイですね。

*1:ゴライオンというのも、気持ちは分からないでもない。デスブラック獣人という御意見無用なネーミングの連中が登場して、人間ボリボリ食ってましたから。デスブラック獣人も腕や首刎ね飛ばされて、体液ビュービュー出してたし。