マダムバストのトラヴィス

「神様のパズル」を観たんです。かなり異常な映画だと聞きましたから。
しかし...なにコレ...ごく普通の映画じゃないの。
そりゃ突拍子も無い描写はいくつも出てきますよ。
でもそれは、少年サンデーもしくは月曜ドラマランド的なもので、怪作・珍作とは別のものと感じましたね。
オレ期待したんですよ。六平直政レプリカントだったとか、遠藤憲一が分裂・巨大化するとか。
作中に台詞だけだけど、パラレルワールド(別の言い方してたかも)が出てくるんですよ。
さらに、オレらが存在する宇宙の中に別の宇宙を作ってどうこうって話も出てくる。
となれば、平行宇宙が重なってアレやらコレやらって展開くると思うじゃないですか。
そこにヒロインであるホミズサラカを演じるのは谷村美月。「茶々/天涯の貴妃」の少女時代の茶々ですよ。
なら、谷村美月がブルルルルっと震えて和央ようかに変身する場面があるはずだろだって話ですよ。
そういうのは一切なかったんです。


この映画、つまりはボーイ・ミーツ・ガールですよ。ああ、青春!
超然としているが、実は色んなもので身動きできなくなっている少女の前に、頭の悪い半端モンだけど、素直でイイやつが現れてって話だし。
あと“自分探しもの”でもありますわな。まあ青春モノなんて、みんなそうかもしれんけど。
いくつかの探索法が出てきて、大仰なもんもあれば地味なもんもあるが、目指してるポイントそう離れていないっていう、これまたオーソドックスなもんですよ。
今日は「ランボー/最後の戦場」も観てきたんですが、これも自分探し的な面がありましたね。
いま気がついたけど、ジョン・ランボーとホミズサラカって同じ人種ですよ。いろんな面で被る。
2人ともトラヴィス精神の持ち主だし。
筋肉ダルマのじいさんと、胸元をチラチラさせるボク少女が被るなんて言われそうですが、ホントだから仕方ない。
やっぱ普通の映画だと思うんだがなあ。
まあ、補強となる挿話が、イマイチ本筋に絡んでないとは思ったけど。


いや、待てよ。これを普通と思うオレがオカシイんだろか。
チャック・ノリスとかルドヴィコ療法とか、そんなんばかり味わってるうちに味覚が麻痺したんだろか。
まあ、オカシイとしても別に問題ないけどさ。これまで通りヒトデヒットラーに落涙する感性で問題ナシ。


結果どうだったかというと楽しみました。
普段はボーイ・ミーツ・ガールだの青春なんぞはどうでもイイと思ってる人間なんですけどね。
谷村美月は終始変な格好してて、ポスターにあるノースリーブのシャツなんざ一瞬だって着てなかった。
どうでもイイTシャツにホットパンツ、でジャージをはおるというランニング中のオッサンみたいな格好ですよ。
髪もベタっとした感じで野暮ったいことこの上なし。
しかしチラつく胸元だけは有閑マダムのそれという、なるほど三池崇史だなというキャラでした。
雨に濡れて、シャツがマダムのバストにぴったり張り付くんだから、そっちばっかりに目がいってました。