リアリティ・バイツ

世の中には中途半端な知識が広まっており、それに直面して絶句することは多いじゃないですか。
え、アンタそりゃイロイロ混じってるよ!というのは誰もが経験することのはず。
オレは今日そういう事態にぶつかったんですよ。


知人がオレにトミー・リーのことをネタに話しかけてきたんですよ。
モトリー・クルーは守備範囲外だったんであまり知らないけど、まあ話に付き合うくらいはできます。
トミー・リーってスゲエよなあ。あのオッサン、メチャクチャな人生だよな、てな具合に話は進む。
「昔はモテモテのセックスシンボルだったそうで、ヤリまくりだったそうじゃん」
「ポルノ女優と結婚して、ハメ撮りビデオが流出したり、その後すぐ離婚したりで大変らしいが」
「なんか自動車事故起こして、同乗してた有名人が死んじゃったんだってね」
「で、半生記がアニメになるんだってね」
知人はこんなことを言うワケです。
パメラ・アンダーソンはポルノ女優とは言えんし、事故起こしたのはヴィンス・ニールだけど、まあいいですよ。
後で教えてあげりゃイイやと思ってたんですが、その後の発言で絶句しましたね。
「いやあ、缶コーヒーのCMからは想像もつかんね
待ってくれ、そりゃ別人だ!アンタが語ったエピソードはジョーンズ無しの方だよ!
オレはトミー・リーの話をしてるんだと思ってたけど、これはそう思うの無理ないでしょ。俺は悪くない!
でも知人は最初からトミー・リー・ジョーンズの話として語っていたんですよ。
トミー・リー・ジョーンズとは、今でこそハリウッドの重鎮だが、若い頃はメチャクチャな行動をしていた男である。
これが彼の認識だったんですよ。ムチャも芸の肥やしになってんだなあと思ってたそうなんですよ。
いくらなんでもこりゃイカンと説明しましたね。
でもねえ、説明してるうちに、このまま放っておけばよかったかなという気分になったんですよ。
まず、面白いからこのままにしとけばよかったというのがある。
それとその知人、事実を知った時にチョット悲しげだったんだよなあ。「ああ...そうなんだ...」と。
「サンタクロースは存在しない」と言わねばならなくなった親の気持ち、チョット実感できましたね。