ギルマン・ライジング

時間がとれず、まだ『崖の上のポニョ』は観ていないんですが、やっぱあれはクトゥルフ神話なんですのう。
今になって「ポニョ=深きもの」であることを疑うようじゃバカにされても仕方ない、そんな状況ですよ。
そんなものが、まあ半分はブランドに乗っかってるだけとはいえ、大ヒットしている。
この状況に、オレは半魚人の地位向上を期待するね。

今こそギルマンに脚光を。これは水棲人の願い。


まず、ここでハッキリさせときたいのは、半魚人と人魚はまったくの別モンだってことです。
半魚人とはギルマンやフィッシュマンであって、マーメイドの類ではない。アリエルとかは全くお呼びじゃない。
だってアイツら顔が人間じゃん。そんなもんが半魚人を名乗るなんざ、お笑い草もいいところだ。
人形と同じく、半魚人も顔が命。半魚人の立脚点は顔が魚(またはカエル)っぽい所にある。
それは、宮崎駿に絡めて言うなら、宮崎版『名探偵ホームズ』のことを考えれば一目瞭然。
あれに出てくるのは犬頭人身のキャラクター。作中ではあれが普通の人間てことになっているが、事実上の犬人間。
それと、たしかに同じ犬と人間のハイブリッドだからと言って、人頭犬身の人面犬を同じ種に分類するか?
しないでしょ。つまりそういうことなんですよ。
同じ理由で、サブマリナーだの海のトリトンだのはお呼びじゃない。アンチョビー?それも違う。残念だけど。
ここをハッキリさせれば、半魚人がどういう扱いしか受けてないか、よく分かるはず。


しかし、この日陰者扱いも仕方ないと言えば仕方ない。たしかに半魚人って扱い難いですよ。
まず場所が水辺に限定されてしまう。
コンクリート・ジャングルに半魚人とすると、どうしても「あえて」な雰囲気がただよい、自然とは言いがたい。
そのあえてをやるのが醍醐味。インスマウスがあんだろ?となるけど、それが限界でしょ。
かと言って山の中とかにすると、素直に狼男にしとけよと言われてしまう。
また文明の利器が似合わない。
これが吸血鬼とかなら、何してもアリですよ。銃を撃とうが、車運転しようが、パソコン使おうがね。
なにしろ吸血鬼って姿形は人間だから。人間がすることなら、全て違和感なく行える。
でも半魚人にはそれができない。半魚人の立脚点は外見だと言ったけど、それが枷になってしまってる。
違和感無視して、イロイロ道具使ったら、皆半笑いで見るだろう?
半魚with二丁拳銃とかやってだ、『ヘルシング』のアーカードと同じ扱いしてくれるか?しないでしょうが。
長刀引っさげて敵ぶった切っても、『ヴァンパイヤハンターD』と...言うだけむなしい。
あと、実はこれこそ最大の問題だけど、日本には、すでに河童というビッグネームが存在する。
結果、なにかに半魚人が出ても、敵とか脇役とか、添え物でしかない。
インスマウス面のヒーローが現れたとして、それでヤオイ同人誌を作る腐女子が存在しうるか?断じて否。
半魚人がメインはったのって、サンリオのハンギョドンくらいなもんじゃないか。


不遇なモンスターですよ。こんなにカッコイイのに。

しかし、この状況を『崖の上のポニョ』が打破してくれるかもしれない。だってあんだけヒットしてんじゃん。
すでに『ジャバウォッキー』とか『ドロヘドロ』とか、爬虫類方面では革命が起きている。
ならば半魚人だって希望はある。半魚人派のオレは叫ぶね。アッティカー!アッティカー!