ダイナミック演義(ただしアニメ)

レッドクリフ』を観たんです。
オレは「三国志」に関しては知ってるっちゃ知ってるけど...という程度の知識しかないんです。
だから最初は戸惑いながら観てたんですよ。
ええと、これ誰だっけ?ああアイツか。この場面はたしか...てな具合に考えながら観てました。
なのでどうもリズムにのり切れない。
何も知らなければ、それはそれですんなり観れたんだろうけど、中途半端な知識が邪魔をするんですよ。


でも途中で接し方を掴みましたね。手がかりとなったのは関羽の描写ですよ。
関羽とは本来、戦士・将軍としても、ついでに政治家としても優秀という、そりゃ神格化されるよなという人物。
それが『レッドクリフ』では無表情で台詞も少なく、やってることと言えば敵を叩き殺すのみ。
もう人間というより戦闘ロボ。子供に勉強教えたりもしてたけど、そんなもん申し訳程度の描写ですよ。
本作の関羽って、戦いが終わったら絶対に油さしてるね。ギー、ガシャンって言ってるはず。
扱いもロボで「あそこヤバイな」となると関羽が差し向けられるんですが、これが「発進!」って感じなんですよ。
いや「発射」「投下」と言った方が正確かもしれない。完全にマシーンであります。
つまり関羽グレートマジンガーなんですよ。見得を切っての登場はスクランブルダッシュであります。
となれば後は簡単。趙雲張飛ゲッターロボ鋼鉄ジーグだと思えばいい。
この『レッドクリフ』はダイナミックプロ主導のロボットアニメである。これで完全に身をゆだねることができました。
ちなみにロープを首に引っ掛けて馬から引きずり落としてメッタ突きとかの、妙に残虐な描写は原作版の味わいですね。
八卦の陣の場面で魏軍が円陣を組み、回転して巨大ノコギリと化す仰天殺法は『魁!!男塾』だったけど。
そんなダイナミック思想の挙句、ついに出たのが馬殴りですよ。
馬殴りって何?って人は下のリンク先を見てください。これが馬殴りです。
http://www.geocities.jp/megaroman/movies/umanaguri.html
http://www.geocities.jp/megaroman/movies/umanaguri2nd.html
この馬殴りが『レッドクリフ』で披露されるんですよ。ついでにタックルまでするんだよ。担当はもちろん張飛
やっぱ中華の豪傑たるもの、馬ぐらいは素手でどうにかせんとイカンよね。


というワケでオレは楽しんだんですが、このダイナミック・アニメ的思想ゆえに嫌われるというのもあるでしょう。
オイオイ!いくら戦争ものつってもガキンチョ風味は勘弁してくれよ!てな感じで。
実はガキンチョ風味ってことで考えても物足りなさはあるんですよ。悪役が味気ないんです。
イメクラ好きの曹操ってのはスンゴイ味付けではあるけど、それだけじゃ足りない。もう一味欲しい。
また、せっかく数がそろってるんだから、威厳のある奴、マヌケさから愛さずにはいられない奴とか、いろいろ欲しかった。
ダイナミック的に言うなら、暗黒大将軍やあしゅら男爵が足りなかったんです。この辺は続編で描かれるのかもしれないけど。
誉めてるのかけなしてるのか、よう分からんなってきましたが、1つ言えるのはオレは続編も観るつもりだってことです。
今日は三国志好きの友人(好きな武将は兀突骨)と一緒に観てきたんですが、彼も続編も観ると言ってましたし。
で、この友人に『レッドクリフ』を気に入ったんならこれを読めと勧められたのが『爆風三国志 我王の乱』でした。
爆風ってタイトルで掲載が漫画ゴラクで、しかも作者が『任侠沈没』と同じ人だよ!
なに、『レッドクリフ』ってそういう位置づけなのか?これはどうあっても『我王の乱』を読もう。