「おれの」が付くとロクことない
『アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子』を読みました。
- 作者: 深町秋生
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/07/25
- メディア: 文庫
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実は先月読み終えていたんですが、タイミングを逃しておったんですね。
著者インタビューが出たこともあり、よしこれに便乗したろうと思うたワケですよ。
http://www.sakuranbo.co.jp/special/topics/012.html
まず感想言うと面白かったです。
シリーズ第1作ということもあって、個性的な登場人物が顔見世興行的に出てくるのが楽しい。マーベル・コミックの『アベンジャーズ』を見てるような感触。実際ハルクみたいな人出てくるから。そのキャラは女だけど、シーハルクではなく、あくまでハルク。そう考えるとアイアンマン的な立ち居地にいるキャラもいたな。ただ、主人公・八神瑛子に近いのは別会社所属のバットマンですがね。
黒社会との関係、上司との暗闘、獰猛な犯罪者達と、一瞬の油断も許されない状況にある主人公。ヒリヒリとした緊張を強いられるお話であります。でもギスギスはしてないんですよ。所々に笑いどころがある。中でも笑ったのがスーパーセックスです。
作中に「スーパーセックス」って言葉が出てくるんですよ。そこにスーパーが付いちまうんだなあ…と胸焼けがするでしょ。オール金歯のガハハオヤジがフェラーリ乗ってるのを見ちゃったような、そんな感触。
そこにさらに「おれの」が付いちゃうんですよ。「おれのスーパーセックス」。前述の金歯オヤジが「やっぱ健康はコラーゲンから!」とか言いながら豚の背脂をたらふく食ってるのを見ちゃったような、心底ウンザリする言葉じゃないですか。
脂っぽい、下品な湯気を放つこの言葉が、その場だけの一発ギャグじゃなくって、実はけっこう重要な要素なんですよ。それが分かった時、オレは大笑いしたね。
というわけで、続編も期待しております。