話し合いに参加してきました

「茶々/天涯の貴妃」を観たんですよ。
各場面がチグハグな映画でして、先日「徹頭徹尾」って言葉使いましたけど、そういうもんなかったですね。


もっと話し合おうと言った松方弘樹が信長を演じるってことですよ。
先日のコメント欄で教えて貰ったんですが、前例があるじゃないですか。しかも監督は岡本喜八
そうか、初めてじゃなかったんだ。驚いた...と思ってたらそこで終わらなかった。
検索してみたらwikipediaにも記事がある。キャストを見ると...絶句したね。
だって明智光秀を演じるのが千葉真一ですよ。
明智光秀だって戦国武将なんだから、そう考えればおかしな配役じゃないですよ。
それに松方弘樹に挑む男って文脈で考えれば納得しますよ。
でも、光秀ってはっきり言ってウラナリ君ってイメージじゃないですか。そこに千葉ちゃんですよ。
うわ観てえ!この「太閤記」、DVD出てるんですね。観よう。探そう。手配しよう。
で、これ知っちゃったら、もう「茶々」の信長はどうでもよくなちゃった。
それでも言うと、オレが「もっと話し合おう」と思った理由は衣装のなんですよ。

女物の着物羽織ってるじゃないですか。
若い頃は「尾張の大うつけ」なんて言われて珍妙な格好してたらしいから、それ自体はイイんですよ。
イイけど、60代半ばの松方弘樹にさせちゃイカンのでは。そう思ったんですね。
でも劇中の信長って、何かが脳に回って末期症状にまで行ってる人として描かれているんですよ。
なら、あんな格好しててもイイのかと納得しちゃったんですよ。
納得といっても、毒入りの酒にドクロマークが貼ってあるのを見ちゃったような、ガッカリした方の納得ですけど。
秀吉についても似たような感想持ちましたね。なるほど分かったよ。でも、だからどうしたっていう。


和央ようかについてなんですけど、良くも悪くも感想はないです。
茶々、もしくは淀殿として、ベストじゃないけど、ワーストではないよなと。
まあ、最初から最後まで無表情で通すっての困ったけど。これは「凛とした」とは言わんでしょ。
それより、女優陣に関してなにか言うなら寺島しのぶですよ。
浅井三姉妹の末っ子であるお江を演じてるんですが、最年長にしか見えない。姉妹の母親と言われても違和感なし。
アレ、なんで姉妹の母親であるお市が出てくるの?さっき死んだじゃんと思ったらお江だったんですよ。
これは寺島しのぶのせいじゃなくて、メイクのせいだと思うんですがね。
「ネバー!ユーズ!ワイヤーハンガー!!」って声が聞こえてくる気がしました。


費やした時間に比べ、実りのない鑑賞だったんですが、心に響いた部分もありましたよ。
大筒を撃つ場面がけっこうあるんですが、その砲弾は人物の真横に着弾するか、もしくはズバリ命中ブルズアイ。
ホントすぐ横でドガーンとなったウワーか、ドガーンとなって胴体だけが宙を舞う。
胴体だけって、それヒドイじゃない...と言われそうですが、どうも間延びした演出でコントみたいでした。
あと、作り手がオモシロシーンとして作ってあったのが、茶々が妊娠をして、お腹が大きくなっている場面。
これが妊婦ではなく、どう考えても相撲コントで肉襦袢着てる人なんですよ。
お腹だけじゃくて、全身膨れてるんですが、それが奥方様衣装着て廊下をシズン!シズン!と歩いてくんですよ。
しかも最初は横から写すんですが、次に正面から写してダメ押ししてくるんですよ。
悔しいけど、ここだけは心底可笑しかった。この瞬間だけは、オレの心のガードが完全に崩されましたね。